組み込みソフトって何ですか?(その5)

その他

組み込みソフトの世界について綴るシリーズ。
当初考えてなかったが、その5 「間をつなぐ存在」。

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トヨタのソフトウェアファースト

トヨタ自動車が「ソフトウェアファースト」宣言をしています。

「ソフトウエアファースト」とは何か システム設計の組織体制
現在生み出されている製品の多くはシステム製品です。もともとメカ(機械)だけで駆動していた部分を電動化することで、製品に多機能化をもたらしました。ここにさらに制御を加え、市場や顧客の要求に応えようと日々進化しているのが、システム製品です。

『出典:日経BP』

世界中から有能な人材が参集しているようで、本気度がうかがえます。

「自動運転」の分野の「ソフトの価値」のウェイトが高くなってきたんでしょう。
ソフトとメカを切り離して開発するぐらいの考えも見えます。

同じ「組み込み」でも、「自動運転」に代表される「上位層のソフト」と「メカトロ」の「下位層のソフト」で分割されると想像しています。
上位層は別会社でも開発できるくらいの切り離し方をするんじゃないでしょうか。

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キーになるのは「下位層」のソフト

「意外」かもしれませんが、「組織」のキーとなってくるのは「下位層のソフト」だろうと思います。なぜか?メカと上位層の間をつなげる存在だからです。
人間的に。

「機能」とか「売り方」でのキーは上位層だと思います。
「組織」的な意味におけるキーです。

私の経験上、ソフト屋はメカ屋から離れれば離れるほど、メカ屋と話が合わなくなります。
例えば「問題」が発生するとします。

メカ:現地現物。
ソフト:まずログを送ってほしい。

この差。

メカ屋から見ると、ソフト屋は「開発の基本」が分かってないように見える。
ソフト屋からすると「効率」が悪く見える。
最後は「人間」ですから、かみ合わないですよね。
「さっさと現場に来い!」というメカ屋と「行ってもわからんからリモートでいい」というソフト屋の差。

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組織の壁をつなぐ存在 どう乗り越えるか

このかみ合わなさを続けると、組織の壁が出来てきます。
「責任分担を明確にしよう」とか正論ぽいが、「かべ」です。
原因がわからない問題の担当って、グレーなんですよね。
どの分野からも参集がほしい。

この間を取り持つのが、下位層のソフト屋となります。
上位層のソフト屋はメカと直接話さなくなるし、メカ屋も近くの下層のソフト屋の方が話しやすいってなってきます。
評価部門や市場サポートすら、話をここに集めてきます。
どちらの話も分かるから。普段はメカと近く仕事をしてるし、ソフト上位層の話も変更のしづらさなど理屈の核が分かる。

変に負荷は増えますが、情報が入るほうがやりやすいことは確かなんですね。

ただ、「若手にとって魅力的かどうか」は微妙に思います。どちらかというと、「社内政治」や「組織編成ゆえ」の感じもしますしね。

ここら辺をトヨタがどう乗り越えていくか、も注目したいです。