伝わる言い方

その他
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相手が欲すること

相手に伝えるには、「相手が求めていること」を言うしかない。

これは「上に何かを提案しなければならない」人が理解しておくべきことだ。私はこの考えに到達するにはすごく長い年月を無駄に要した。今や50代だが、つい最近までわかっていなかったと反省しているところだ。若い方は是非、仕事に入ると同時に理解しておいた方がいい。

上司、相手側に問題がある、かもしれないが、「営業トーク」「社内マーケティング」という観点で見れば、あながち相手だけに間違いがあると言い切ることもできないだろう。

「何かを変えたい」とする。動機は「高尚」なこともあるだろうし、「正直かったるい」ということもあるだろう。

今の体制に無理、無駄、があふれていて「改善」したいとする。例えば開発現場での報告書が多すぎて、開発に手が回らないとする。この「報告書をやめたい」「削減したい」。

「忙しすぎるんで報告書やめたいです」と言いたい。

しかし、これだけだと「今までもやってる。やれ」で終わってしまう。

なぜか?

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組織観点を入れる

提案される側は「上の階層」だから「ちょっぴり」かもしれないが、「組織的観点」でものごとを見る癖がついている。だから、「組織メリット」か「個人メリット」で判断する。「洞察力」がなければ、「言われた通りを判断」して「ああ、個人のわがままだな」で終ってしまうのだ。

そこで「下」からの言い方としては「組織メリット」を入れる。会社で目指している「目標」だとなおよい。

「忙しすぎるんで報告書やめたいです」

ではなく、

「全社的に開発効率を上げ、ラインナップ拡充を進める、というのが今年の大きな課題となっている。しかし、この報告書を書くことで皆の作業が毎日1hは止まっている。その後の指摘、修正もいれるとこのために残業や休出していることもある。報告書を削減、または効率化すれば、開発や本質的な作業を進めることに20%程度効率を上げることができる。ぜひ、改善検討させてほしい」

というべきだ。

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大事なポイント

  • ]組織観点があること(「組織目標」だとなおよい)
  • 誰がやる、があること(「私」がやる)
  • 権限の求め、があること(「私」がまとめる)

「私がやる」というスタンスを出すと「わがまま人材」でなく「使える人」としてポジションを確立できる。「検討してほしい」ではなく、「検討させてくれ」だ。なぜなら「検討してほしい」相手は面倒くさがるからだ。上司にとっては「組織として正しい」以上断りづらい、しかし「面倒だ」というところに恰好の助け舟を提案できることになる

当然、「全権を委任」というところももらうべきだ。どんなに小さいことでも、「多数決」「皆の一致」なんかで物事はあまり進むことはない。

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成功体験を得る

一度、二度、このような方向で成功体験を得れば、大きな物事も同じ構造を持っていることに気付き始める。最初は報告書だったかもしれないが、次には、製品ラインナップや、事業自体に同じ考えを適用できるだろう。「自分が求めること」を「相手が求めている」ことで逆算的にロジックを組み立てる。

あまり教わることがないが、組織では例外なく必要な考え方だ。「報告」などで、「何かかみ合わない」というケースでも、是非、このような考え方を早めに取り入れていってほしい、と思う。