【主体性を育てる組織づくり】
〜自主的な学び・ビジネスプランコンテストがもたらす成長の連鎖〜
■「ワーキンググループ」や「自主勉強会」が根付く組織は強い
トヨタの“カイゼン”に象徴されるように、自主的な改善活動が組織に根付いている会社は、やはり強いと感じます。
「ワーキンググループ」や「自主勉強会」など、業務外でも学びの場がある組織は、モチベーションの高い社員が多く、結果として成長につながっています。
確かに「余裕がないとできない」という見方もありますし、場合によっては「本質的には“自主”とは言い難い」と考える人もいるでしょう。
しかし、いずれにしても業務外の取り組みに力を注げる環境があるという時点で、組織のポテンシャルは高いのです。
■注目企業:アスカネットの社内ビジネスプランコンテスト
たとえば、空中ディスプレイで一躍話題となった【株式会社アスカネット】さん。
コロナ禍をきっかけに、自治体でもディスプレイが導入されるなど、注目を集めています。
技術面での独自性はもちろん、もともとのフューネラル事業とのシナジーも興味深く、以前から注目していた企業です。
そんな中、公式サイトでとても印象に残ったのが、社内で実施している「ビジネスプランコンテスト」。
■社内企画のメリットとは?
このような社内取り組みには、さまざまなメリットがあります。
● 時間の使い方が変わる
目先の業務だけでなく、中長期のビジョンに目を向ける時間が自然と生まれる。
● 課題発見力・仮説思考が鍛えられる
問題設定から始まり、仮説構築・検証という流れが、ビジネスの基本を実践的に学ぶ場になります。
● 若手主体の挑戦が可能
年次に関係なく、若手が中心となってアイデアを出し、企画を磨いていく文化が育ちます。
これらはまさに「事業計画を自分たちで立てて動かす」という体験。
チームワークや情報共有力も自然と育まれていきます。
■外部研修との違い:定着率がカギ
外部研修にも良さはありますが、どうしても**「受けっぱなし」で終わるリスク**があります。
- 職場に持ち帰っても活かしにくい
- 現場に馴染まず、風土と衝突する
- 「研修担当者だけが熱心」という状態に…
その点、社内で完結する取り組みは、自分たちで実行・改善できる強みがあります。
「実践してこそ意味がある」という視点で見ると、やはり内部の学びが根付いた方が組織力に直結するのです。
■社内文化が進化する資産になる
このような継続的な取り組みは、やがて会社の“暗黙知”や“文化”として定着していきます。
- 資料のつくり方
- プレゼンの「狙い」や「背景」の示し方
- デザインやフォーマットのルール
- 上司や審査側からのフィードバックが蓄積
つまり、「やってみた→失敗や成功→ノウハウ化→共有」という知の連鎖が社内に生まれるのです。
こういったプロセスが積み重なることで、“考える文化”が会社の中に根を張っていくのです。
■まとめ:内発的な成長機会を、組織の資産に変える
アスカネットのように、社員の自主性を活かす仕組みがある組織は、確実に強くなります。
業務外でのチャレンジが、個人の成長・組織の進化・中長期的な成果へとつながるからです。
「こんな取り組み、うちには無理」と決めつけず、
まずはできる小さな活動からでも、“内側から学ぶ場”を作ってみることが大切です。
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