機能する組織

その他
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現場は機能しているか

「現場改善」は経営目線からは遠い場所かもしれません。
しかし、「機能する組織」=「機能する現場」です。
組織がそれなりに大きくなると事件は会議室で起こっている場合も多々あります。
「経営陣がこういった」「他部門から押しつけられた」。
会議のハンドリングの仕方によって、現場の作業量、質が大きく振れることもあります。
「骨格」を決めるのが会議であり、「肉付け」をしていくのが「機能する現場」です
車の両輪です。

しかし、そうころころと「骨格」や「社業」を変えることは発生しません。
従って、「機能する現場」を磨き続けることが第一命題だと思います。
「機能する現場」があれば、商品などの肉付けを時代に応じて変えていくことが可能になります。

機能する現場とは、教科書的にいうなら、命令系統、組織リソース、モチベーション、風土が整っている状態です。
しかし、常に「何か」が不足するのが当たり前です。
完全がないからこそ改善が必要だともいえます。

反面教師の体験談。
映画館での話。券売機三台の前に大行列。
私の前の高齢女性が困っていました。
クレジットカードの決済方法が分からないようでした。
券売は完全に無人で傍に係員はいません。チケット切りに配置されています。
その方は手を掲げて係員を探している風でしたので私が手助けしました。
券売機画面を見て、「確かにこれは」と思いました。
「このUIでよくゴーサインが出たものだ」と思いました。
問題に気づき、吸い上げるための現場の係員も配置されていない。
問題に気づかない。改善しようがないのです。

このグループが展開する食品売り場でも似たようなことがあります。
モモ、トマト、でかなりの高確率でカビを目にします。
ほぼ8割がカビ、のようにあまりにひどい時には、現場の方に伝えたこともあります。
すると、即座に撤去してたりします。
従業員個々は実に気持ちがいい対応をしてくれるのです。
ただ、問題が全体としては「些細なこと」としてとらえられているのではないか、と思われます。
私が知っている限り、このグループ系列では4店舗がこのような状態です。
モール事業で利益を出すため、BtoCの「現場」には気を入れてないように見受けられます。

一方、私が知っている近所のスーパーで、鮮度に文句がつけようがスーパーがあります。
従業員が定期的に商品を点検していたり、後日でも交換できる、というスーパーです。
いうまでもなく、「現場が機能している」のは後者です。
前者は、巨大企業でもあり、「稼ぐ場所」「力をいれるところ」が違う、ということなのだと思います。
券売機やトマトに問題があっても、いまのところは、痛くもかゆくもないのでしょう。
しかし、おそらくは、巨大なゆえに情報伝達系統に問題を抱えている、と思われます。
「問題」があった。→再発防止したい/改善したい。
という流れが生み出していません。
細かいことに気付く「エース」や「幹部」が配置されていないのかもしれません。

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組織は常に不完全

「現場の改善」は小さい組織であっても、抵抗勢力、文化、によって時に難しいこともあります。
変えること、既得権益の放棄は誰でも嫌がるところがあります。
制度疲労がおきている組織もあります。
「会社の業績は右肩上がり、長期的にも問題ない。人材育成も機能している、幹部も育っている、従業員も働きやすく、満足度が高い」という組織はまずないです。
問題に気づく、無理なく改善、のサイクルを回す、この仕組みをまずつくることです。
何かしら仕組みを持たないと、自然に任せていても「改善」はできないものです。

見るべきものは、「現場」です

誰かが気付いているはず。それを吸い上げる仕組みが必要です。