祭りをつむぐ

その他
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桜楽

先日池袋で大田楽の踊りに「市民参加」してきました。
わざおぎ」の方々に丁寧に稽古をつけて頂き、大変ありがたかったです。
動画の踊りを教えて頂きました。
Youtubeで「大田楽」で検索すれば出るので是非ご覧ください。


最後まで観客の皆さんのことも考えた演出になっていまして素晴らしいなと思いました。
ありがとうございます。

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祭りの衰退と継続

今回参加した「桜楽」と、文脈的には違うところもありますが「伝統的祭り」について考えるヒントをもらった気がします。

「人口減少」や「地方衰退」の中では「祭り」の本来の形の維持が難しいという現実があります。
昨年の秋、岩手県に行きました。行った直後に「蘇民祭」が終わるかもしれない、ということで話題になっていました。
私の故郷の「盆踊り」や「相撲大会」でもそうです。

コロナ禍では文化庁が神輿の維持など支援を掲げました。
全体的な流れとして「伝統そのままの維持」はなかなか難しいでしょう。
令和3年度補正予算地域文化財総合活用推進事業について | 文化庁 (bunka.go.jp)
変容の危機にある無形の民俗文化財の記録作成の推進事業 | 文化庁 (bunka.go.jp)

筑波大学の論文リンクを貼らせて頂きます。
https://casebank.sk-tsukuba.university/case/2029
『出展:大平航己 (2022) 時代変化を踏まえた地域における神事の実態と変化要因 -茨城県を対象とした「継廃復起」の観点から-、 2022年度 筑波大学 大学院 博士課程 理工情報生命学術院システム 情報工学研究群 修士論文』

研究では、茨城県では30年間で20%の神事が廃止されている、となっています。
体感としてもそういう感じはします。全国的にも同じ傾向があるのではないでしょうか。

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コミュニティ、価値観の変化

キッチンカー時代に祭りの開催には何度か携わったことがあります。
商店街や市の「にぎわい作り」としての「花見」やフェス、「仲間でちょっと楽しくやりつつ稼ぎたいね」「スポンサーも募ってみるか」みたいなタイプでした。

伝統的なものに限らず「フェス」でもそうですが、主催する人の負担は大変な面もあります。
何度も打ち合わせします。答えがあることをやるわけでもありません
意見調整にはリーダーシップも必要になってきます。
ストレスになる方もいると思います。
「係」などの「負担持ち回り」スタイルは「自分事でいっぱい」の世相にはなかなか合わないところはあるでしょう。

現在の価値観では積極的に宣伝していくことが難しい要因もあります。
「動物虐待」「猥褻」「危険」と受け止められるような行事もあったりします。
「祭り」というよりも「神事」的なものでは「エンターテイメントとしての面白さ」を期待されても困る、というものもあります。
故郷にも奈良時代から続く「深夜に真冬の海に入る」という「神事」がありまして、高校時代に見に行きましたがピンとこなかった記憶はあります。
「面白いから来てね!参加してね!」とならないですよね。

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マネタイズ化 稼ぐ

商業的に成功させる、ということは「存続」の一つの観点としては大事だろうな、と思います。
花火と同じく「観客席を販売する」というのは分かりやすい一つの例ですね。
「本来の姿」ではなくなってしまう。「神事で稼ぐ」というのことへの異論が当然出るでしょう。

異論を一旦脇におくとアイデアは出しやすいものではあります。
「マネタイズ」の形として「場所を切り離し」て「コンテンツを取り出す」ということはわかりやすいかと思います。
「山車」などを海外で実施する、という形も実はありますね。
「踊り」や「音楽」はそういった「場所を切り離しやすい」一つだと思います。

「阿波踊り」は一つの形かと思います。
累積赤字問題が持ち上がることもありますから「ビジネス化」も「やればうまくいく」というものでもなく考えることは多いでしょう。

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女性の参加

「明るい面」として「踊り」や「音楽」を切り出すことができれば新たな展開がありそうだ、というのは参加してみて思ったことです。
多様性の世相には反するかもしれませんが、「市民参加の公募」では踊り手は圧倒的に女性比率が多かったのです。
8:2ぐらいでしょうか。
「消費行動」の性差のようなものかもしれませんし、「職場コミュニティ」の要因かもしれません。

「女性の方が意識が高い」とか言いたいわけでなく「女性参加」の形態が増えると人口が増えるのでは?という考えです。
「神事ごと」って「相撲」にはじまり「神輿」や「山車」も「男性が中心」が多いですよね。
そこが中心にある祭りは、どうしても維持は難しくなるのではないか、と思えます。
人口的には半分になりますから。
一方で「踊りや音楽」といった「性差に依存しづらい部分」を取り出せば、形を変えながらも伸びしろはあるのでは?
そんなことを考えました。
ただ、あくまでも「その場所」「支えてきた人々」のものですから外からどうしろというものではないと思いますが。

※ご相談はお気軽に

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