「道の駅」「直売所」で差別化を目指す

農業
道の駅 直売所でブランディング
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6次産業では道の駅、直売所がキーとなる 

農林水産省の調査では、6次産業関連事業(農産物直売所、農産物の加工、観光農園、農家レストラン、農家民宿)の年間総販売額は約2兆円。うち、半分の1兆円が農産物直売所の販売金額。
農産物直売所は6次産業の中核を担っているという、すごいですね。

農林水産省「令和3年度6次産業化総合調査結果」抜粋
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/rokujika/r3/index.html

「肌感覚」としても、近所に農産物直売所的な店舗が増えていると感じます。

地元密着型の直売所は農協や企業、生産者グループが主体となることが多く、道の駅は国土交通省が主体となっている、という違いがあります。

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道の駅、直売所のメリット

集客力

  • 特に「道の駅」は観光拠点的な要素も併せ持つため、抜群の集客力がありますね。
    メディア露出度も高く、週末には駐車場渋滞がある場所もあります。
    季節によって集客が集中するところも多く、イチゴや栗など観光的な要素も大きいですね。
  • 「鮮度」「安さ」「種類が豊富」といった強い訴求要素をもっています。
    大手スーパーでは目にしない野菜を目にすることも多いですよね。
  • 「他の加工品」との合わせ売り、や「各種イベント」なども実施しやすい、という集客要素がありますね。子供が楽しめる場所、家族、カップルで楽しめる場所になっています。

柔軟な価格設定

販売委託式では生産者自身が価格を設定できます。
手数料として売上15%程度以外は利益になる、というメリットがありますね。

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「ブランディング化」で「安売り競争」を回避する

メリットばかりではなく、生産者側としては「安売り競争」に陥らないか?という懸念があります。
消費者側が「直売所=安い」という「安さ」を期待していること以外にも考えるべきことがあります。

  • 「需要と供給」のコントロール機能がない
  • 「利益」に対するモチベーションの違い

「需要と供給」で供給過多が価格を下げる圧力になることは市場原理として当然のことです。
直売所は地域に密着しているため、その地域の気候によって出荷量が同一方向に動きやすいという特性もあります。例えば、トマトがやたらと多い、キャベツが多いなどです。
生産側はこのサイクルに陥らないよう、「出荷者が増えすぎない」ような「直売所を選ぶ」という考えも必要でしょう。

次に、「ある程度の収入があれば」というスタイルの参入余地があることです。
直売所が生産者に対して「所得の向上」だけでなく、「高齢生産者の生きがい」を提供することを目的にしていることも一因です。
「生産者の維持」という観点で重要なことです。
一方で、複数のポジショニングがあると、同じ「大根」を売る時に大幅な価格差をつけて設定することは現実として難しいところです。

ここを突破するカギは「ブランディング化」だと思います。
ブランディング化は「見た目」だけでなく「同じ場所では売らない」という選択肢も入ります。
例えば「他の農家との協力してプロ農家の一画を作る」ということも考えられます。

また、単品として売るのではなく「○○農園のセット野菜」など、ネット直販への導入の「フロントエンド」的な位置づけ「お試しセット」的な場所として捉えることも可能でしょう。

「集客効果」の中で埋没してしまわない工夫が必要です。
パッケージであったり、セットの工夫であったり、「○○農園」のブランディングを意識した売り方。
ここを工夫することが直販では必要になります。
競合、置かれている環境を観察、分析することも必要でしょう。
いずれにしても、「直売」は無視できないものに既になっています。

※お気軽にご相談ください。


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