省力化投資補助金【第2回:売上はすぐには上がらない】

補助金

「この機械を入れれば売上が上がります」

結論から言うと、
これは“ものづくりの現場”では、ほぼ起こりません。

むしろ逆で、
設備導入直後は一時的に効率が落ちることすらあります。


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設備は「利益を生む装置」ではなく「環境を変える装置」

設備は魔法の箱ではありません。

導入しただけで、

  • 受注が増える
  • 利益率が上がる
  • 人が楽になる

ということは基本的に起きません。

設備が生むのは「可能性」であって、
成果ではありません。


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なぜすぐ売上が上がらないのか

理由は大きく4つあります。

① 教育コストが発生する

新しい設備は、
ベテランでも慣れるまで時間がかかります。

  • 操作方法の習得
  • トラブル対応
  • 作業標準の再構築

ここに数週間~数か月かかるのは普通です。
ベテランが慣れ親しんだ工程を手放すことに感情的に反対するパタンすらあります。
ヒトは「変化に対する不安」があります。
現場は人間で成り立ちますから一筋縄ではいかないですよね。


② 工程の再設計が必要になる

設備を入れると

  • 作業順序
  • 人の動き
  • 材料の置き場所

すべてが変わります。

既存の工程のままでは性能を発揮しません。
「5S」を磨き上げるにのにも時間がかかります。


③ 歩留まりは一度落ちる

新設備導入直後は以下のようなことも発生します。

  • 不良率が増える
  • 手戻りが増える
  • 段取りが増える

これは異常ではなく正常な過程です。
結局、ヒトが設備を動かします。
大企業なども傍から見ると品質が担保されてるようにみえますが
「歩留まり不良」や「失敗コスト」というのは驚くほど大きいものです。


④ 周辺コストが増える

見積に入っていないコストが出ることもあります。
最新鋭機ではソフトウェアのアップデート中は機械が停止ということも考えられますよね。

  • メンテナンス
  • 消耗品
  • 電気代
  • レイアウト変更・設置・電力工事

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審査側が見ているのは「売上」ではない

補助金の審査で評価されるのは、

  • 作業時間の削減
  • 人員配置の最適化
  • 不良率の改善
  • 生産能力の向上

つまり “売上の即効性”ではなく“再現性のある改善” です。


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設備導入で本当に起きる良い変化

以下のようなことも想定されます。
そのため、現実的には「移行期間」を設けて「旧式のものを併用」ということも考えられます。
これにも当然ながら、場所の確保・並列運用のコストは伴いますよね?

導入直後半年後1年後
混乱慣れ効率化
不良増安定品質向上
工数増工数減利益改善

売上が伸びるのは、最後の副産物です。

設備は売上を生むのではなく、「売上を生める体質」をつくる道具です。教育・工程改善・歩留まり改善を経て、初めて利益に変わります。

このあたりを詰めておかないと実際には計画通りすすめることは難しくなります。

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