「主体的に動け」は危険ワード マイクロマネジメントの罠

その他

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はじめに

職場でよく聞く言葉、「もっと主体的に動いてほしい」。一見、成長を促す良い言葉に見えますよね。
しかし、これは実は「感情指示」であり、効果を持たない「何も促していない言葉」なんです。
「勉強好きになれ」といって好きになりますか?
ならないですよね?
「好きになるように仕向ける」のがマネジメントなわけですよ。

さらにややこしいのが「マイクロマネジメントしたい」というニーズです。

今回は、「主体的に動け」と言いながら、実は「自分のやり方でしか動いてほしくない」と思っているタイプのマネジメントがなぜ危険なのかを掘り下げます。


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「主体的に動け」はNGワードになりうる理由

表面:自由に動いてほしい

上司の意図としては、「指示待ちではなく、自分で考えて動いてくれ」というもの。これは理想論としては正しい。

実際:でも失敗は許さない

ところが実態はこうです:

  • 事前に報告しなかったら怒る
  • やり方が上司の意図と違うと怒る
  • 成果が出なければ「なぜ相談しなかった」と怒る

つまり、自由にやらせるフリをして、正解は一つだけという態度が透けて見える。


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「やり方は考えろ」と言う人がハマる落とし穴

このタイプの上司にありがちな矛盾:

上司の発言実際に求めてること
「やり方は考えろ」でも正解は俺の中にある
「失敗していい」でも評価は下げる
「自由にやっていい」でも報告は全部しろ

結局のところ、「考えろ」と言っておきながら、上司の頭の中にある唯一の正解に部下がたどり着くことを求めているのです。


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なぜそれが「マイクロマネジメント」と同じになるのか?

「マイクロマネジメント」とは、部下の行動・判断に細かく口を出し、コントロールしようとすること。
でも上記のような矛盾した言動は、直接命令しないだけで、実質的にはマイクロマネジメントと変わらないんです。

違うのは「任せた風を装っている」こと。
だから部下は余計に混乱します。


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主体性を育てるとは、「任せて黙る」覚悟がいる

本当に部下に主体性を持ってもらいたいなら、やるべきはこうです:

  1. 成果の期待値だけは明確にする
  2. やり方には極力介入しない
  3. 失敗のリスクを許容する
  4. 「相談しやすさ」をつくるが、「相談しろ」とは強制しない

つまり、任せたなら、口を出すな。任せないなら、明確に指示しろ。
この切り分けができてないと、部下は「結局どっちなんだ」と疲弊します。

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誘導尋問 上司とのすり合わせにめちゃくちゃ時間がかかる

切り分けがなく、混乱している場合、上司から「気に入る答」を求める「誘導尋問」が常態化します。「すり合わせ」という名を借りた「尋問」なのでめちゃくちゃ時間がかかります。
設定時間が平気で1時間、2時間オーバーします。
私自身もこういうケースの渦中にいた経験があります。誰もが知るようなホワイト企業でもありましたし、コンサル界隈でも経験しましたね。
上下の人間関係の中で、上位側のタイプによって発生します。

権力を持つ側「上司」ですね、にとっては「支配する快感」があるため、「充実した時間」になりますが、部下にとってはたまったものではありませんね。

「スタンフォード監獄実験」のように「看守と囚人」の関係が生まれます。
看守のほうは「もっと続けたい」
囚人のほうが「もうコリゴリだ」
という状況ですね。


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まとめ:「主体的に動け」は、上司側の覚悟が伴ってこそ

「主体性を持って動け」は、魔法の言葉ではありません。
むしろ使い方を間違えると、部下を混乱させ、萎縮させる危険なワードになります。

上司が本当に問うべきは、「自分は任せる覚悟があるのか?」ということ。
そしてその覚悟がないなら、「やり方はこれ」「まずはこう進めよう」と明確に指示すべきです。
マイクロマネジメントしないと成立しない現場では、後者のほうが現実論として、正しいと思います。

中途半端な任せ方こそが、最も主体性を奪うマネジメントであることを忘れてはいけません。

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