——“頑張り”ではなく、構造で考える
製造業ではよくあります。
- 営業が強めに受注する
- 納期は短めに約束する
- 生産は前倒しで動く
- 不安だから多めに作る
結果、余剰在庫が増える。
在庫は保険のつもりでも、
実態はキャッシュを寝かせ、スペースを奪い、管理工数を増やします。
原因はムリな条件を、処理できていないことにあります。
「ムリを可能にするのが存在意義」という考え方
製造現場には、こんな価値観があります。
「ムリを可能にするのが自分たちの存在意義だ」
確かに、現場力は日本の製造業の強みです。
短納期対応、仕様変更対応、小ロット対応。
それが信頼につながってきた歴史もあります。
ただし。
この発想が続くとどうなるか。
- 例外対応が常態化する
- 納期が不安定になる
- 在庫で吸収する体質になる
つまり、管理できない状態を生みやすい。
頑張りで成立している間はよいのですが、
規模が大きくなるほど歪みが蓄積します。
交渉しない代わりに在庫を持つ構造
短納期。
不安定な数量。
頻繁な仕様変更。
本来であれば、
- 納期を調整する
- ロットを整える
- 価格を見直す
といった設計が必要です。
しかしそれをせずに受け続けると、
現場が吸収するしかない。
その結果が、
- 作りすぎ
- 余剰在庫
- キャッシュの固定化
です。
在庫は“努力の証”ではなく、
構造の歪みの結果です。
実は社内でも共有されていない
ここが盲点です。
この理屈が、社内の部門間で共有されていないことは多い。
- 営業は売上を見ている
- 設計は成立性を見ている
- 生産は実行可能性を見ている
それぞれが正しい。
しかし、全体最適の視点がないと、
ムリがムリのまま通る。
その結果を、在庫が引き受ける。
なぜ難しいのかを共有する
重要なのは、
「ダメ」と止めることではありません。
「交渉力に変換」することです。
- なぜこの納期は負荷が高いのか
- なぜこのロットだと原価が崩れるのか
- なぜ仕様変更が利益を削るのか
これを数字で説明できるようにすること。
すると、議論は感情から数字へ移ります。
会社間でも同じです。
なぜ難しいのかを共有すると、
相手は意外と納得します。
いったん俯瞰してみる
目の前の受注を処理するだけではなく、
- 在庫は何日分か
- 特急対応の割合はどのくらいか
- 利益率はどう動いているか
一度、俯瞰してみる。
ムリを可能にしているつもりが、
実は利益を削っていないか。
「ムリ」を「ガンバリ」と錯覚していないか。
まとめ
受注が悪いのではありません。
ムリを可能にする力は強みです。
しかし、それを管理できる形にしなければ、
会社は不安定になります。
いったん俯瞰する。
そして、社内で共有する。
派手な改革よりも前に、
ここを整えることが、製造業を強くします。
まずは一緒に整理してみませんか?



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