製造業の原価改善|固定費と変動費から考える利益体質の作り方

製造業コラム
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本当にコストは下がっている?

補助金の相談を受けていると
設備を導入してコストを下げたい
という話をよく聞きます。

もちろん設備投資は重要ですが、
その前に考えるべきことがあります。

それは
原価の構造を理解することです。

原価の構造を理解していないと

  • 本当にコストが下がったのか
  • どこが改善されたのか
  • どのくらい利益が増えるのか

が分かりません。

今回は
固定費と変動費に分けて原価を考える方法
について整理してみます。


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原価は固定費と変動費に分けて考える

原価を管理する方法の一つに
**直接原価計算**という考え方があります。

これは原価を

  • 固定費
  • 変動費

に分けて管理する方法です。
この考え方は

  • 損益分岐点の把握
  • 価格判断
  • コスト改善

など、経営判断に役立つため管理会計でよく使われます。


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固定費とは

固定費は売上や生産量に関係なく発生する費用です。
例えば

  • 家賃
  • 設備費
  • 減価償却費

などがあります。
売上が増えても減っても基本的に金額は変わりません。


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変動費とは

変動費は売上や生産量に応じて増減する費用です。
例えば

  • 材料費
  • 外注費
  • 運送費

などがあります。
売上が増えれば増え減れば減る費用です。


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分解はシンプルに考える

実際の経費はきれいに分かれるとは限りません
例えば

  • 人件費
  • 光熱費

などは固定費と変動費の両方の要素を持っています。

しかし最初から細かく考えすぎると
分析が進まなくなりますし、

その時々の判断がブラックボックス化しやすいです

そこでまずは

  • 明らかに変動費 → 変動費
  • 明らかに固定費 → 固定費

として整理します。
そして判断が難しいものは過去データを見て判断します。
(※分配・配賦するという考え方もあります。
 いずれにしても細かくしすぎないほうが分析しやすいです。)

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分解ができると損益分岐点が分かる

固定費と変動費に分けることができると
損益分岐点を計算できるようになります。

損益分岐点とは利益がゼロになる売上のことです。
いくら売れば赤字にならないのかが分かるようになります。

ここでよく使われるのが損益分岐点の図です。


図:損益分岐点グラフ(固定費・売上・総費用の図)

売上が損益分岐点を超えるとそこから利益が出るようになります。


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売上 − 変動費 = 限界利益

直接原価計算では売上から変動費を引いたものを
限界利益
と呼びます。

式で書くと
売上 − 変動費 = 限界利益

この限界利益が

  • 固定費を回収し
  • 利益を生み出します。

経営として重要なのは限界利益をいかに増やすかという視点になります。


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変動原価+αで考える

価格を考えるときにもこの考え方は役に立ちます。
商品価格

  • 変動費
  • 固定費回収(α)
  • 利益

で構成されています。
イメージすると次のようになります。

図:変動原価+αの構造図(販売価格の内訳)

重要なのは
販売価格が変動費を上回っているかという点です。

もし価格が変動費を上回っていれば
その差額は固定費の回収に貢献します。

この考え方は

  • 値引き判断(+α分をどこまでさげるか?)
  • 追加受注(数が増えれば固定費回収に貢献する→+αが増える)

などを考えるときに役立ちます。

わかりやすい例でいうと
ホテルなどが大きく値下げする場合、変動費+αまでは価格を下げるても大丈夫です。
α分で固定費を回収できます。
これ以下に下げると固定費の回収が出来ず赤字となりますね。

また、受注数が増えることによって固定費の回収もできます。
そのため、受注数に応じて価格を下げるということも可能になるわけです。

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丼勘定をみなおす時

丼勘定を続けていると
特に組織が拡大すると営業と工場との間で齟齬が出てしまいます。

例えば
工場→営業に対して単純に「原価の2倍」という考え方で設定してしまいがち。
「固定費」の回収は「受注数」によっても変化するわけです。
また、原価には変動費ですが「作業工数」も当然入りますよね。

このあたりが丼勘定だと、割に合わない製品を作り
「利益が【どの製品で】どのくらいでているのか」が曖昧になりがちです。

この意思疎通が営業と工場間で成立しないまま動き続けると
「売れてるのになぜか赤字」という状況に陥る危険性も大です。


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作業効率も原価に大きく影響する

作業効率も原価の大きな要因です。

例えば

  • 段取りが悪い
  • 作業の流れが悪い
  • 歩留まりが悪い

こうした状態では
作業時間が長くなり原価が増えることになります。

そのため
同じ作業をより短い時間で行うことは、大きな原価改善になります。


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見積もり時間と実際の工程時間を比較する

原価改善のヒントは
見積もり時間と実際の作業時間の差にもあります。

例えば
見積10分
実際15分
この差が積み重なると想定より原価が増えることになります。

そこで

  • なぜ時間がかかるのか
  • どこにムダがあるのか

を確認することで改善ポイントが見えてきます。


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原価改善と設備投資

原価改善の方法には

  • 作業改善
  • 工程改善
  • 設備導入

などがあります。

特に設備導入によって

  • 作業時間短縮
  • 人手不足対策
  • 生産性向上

が実現できるケースもあります。

こうした設備投資では補助金が活用できる場合もあります。

詳しくは補助金ページ整理しています。


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まとめ

原価改善を考えるときは次の視点が重要です。

  • 原価を固定費と変動費に分ける
  • 損益分岐点を把握する

こうした視点を整理すると
どこにコスト削減余地があるのかが見えるようになります。
原価構造を理解することは経営判断の土台になります。

まずは
自社の固定費と変動費を整理するところから
始めてみてはいかがでしょうか。

設備更新や自動化を検討している場合は
補助金制度も確認してみるとよいでしょう
お手軽な補助金診断アプリもどうぞ♪

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