製造業で「呼び捨て文化」が危険な理由|現場で起きる本当の問題

経営コラム

「〇〇、これやっといて」
職場ではよくあるやり取りです。
スピードが求められる現場では、
こうしたコミュニケーションが当たり前になっているかもしれません。

ただ、この「呼び捨て」。
「単なる言葉の問題だ」と思っていると、少し危険です。


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年功序列の根強い文化

意外かもしれませんが、「部下を呼び捨てにする」という文化は、
ホワイト企業と呼ばれる大企業でもまだまだ根強く残っています。

もちろん、私の経験は限られていて、

・大企業3社
・中小企業多数

ほどではあります。
それでも複数の現場を見ていくと、共通する傾向が見えてきます。


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■現場で起きているもう一つの変化

最近では、年齢と役職の逆転も増えてきました。
とはいえ、文化や風土はそう簡単には変わりません。

・「年上の部下」をどう呼ぶか
・「年下の上司」をどう呼ぶか

現場では、こうした戸惑いが実際に起きています。


以前いた組織では「○○さん」と呼ぶのが主流でしたが、
今では「○○課長」「○○部長」と役職で呼ぶように変わってきました。
面白いことに
これは「年功序列」→「実力主義」に移行するのとほぼ同期していましたね。

年下に「さん」付けすることへの抵抗感が、どこかにあるのかもしれません。


さらに不思議なことに「年下上司」に対して

・面と向かっては「○○部長」
・その人がいないところでは「○○君」

と、呼び方を使い分けるケースも見てきました。
複雑な心境がうかがえます。


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■問題は「呼び方」ではない|「伝わっている前提」が危ない

本質的な問題は「呼び方」ではないと私は考えています。
本質的な問題は「以心伝心神話」です。

呼び捨てが当たり前の職場では、

・指示が短くなる
説明が省略される
・確認が曖昧になる

といった状態が起きやすくなります。
やっかいなことに
認知のずれ「伝わっているはず」は「親密な関係ほど起きやすい」という研究結果すらあります。
「家族関係」を考えても実感するのではないでしょうか?


例えば
「前と同じで」
「いつものやつで」
こうした言葉で仕事が回っている場合、実際には

認識がズレている
微妙に違う対応をしている

ということは珍しくありません。


製造現場であれば、

仕様の読み違い
作業手順のズレ

といった形で現れます。
それでも仕事は一応進むため、見過ごされます
そして、あるタイミングで不良や手戻りとして表面化します。


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■教育も同じ構造になる

このような職場では、社員教育・成長も同じ構造になります。
・人によって基準・対応が違う
・基準が言語化されていない

結果として

できる人はできる
できない人はできない
という状態が発生しやすくなります。

製造業では、これは品質のバラつきに直結するでしょう。


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■違和感が上がってこない

もう一つの問題は、違和感が共有されないことです。
呼び捨てが当たり前の環境では、
部下から
・意見を言いにくい
・指摘しづらい

という空気が生まれることがあります。
経験上、「うまく意見を引き出せない上司」のもとではこの空気は濃くなりやすいです。

※もちろん、意見を引き出せる上司は、逆にうまくこの空気を使う場合もありますね。
 パレートの法則的には10人に2人ということになります。
 仮に上司が10人いたとして、たったの2人です。
 このような「生まれながらのリーダーシップ」の割合は
 部活やクラスのことを思い出してもあっているのでは?


違和感が共有されない結果

・小さなミス
・現場の違和感

が放置されるリスクもあります。
「フランクに話す場」があるかどうか、という場の問題もセットになります。
本来であれば早く潰せたはずの問題が、後から大きくなります。
「ボトムアップ」の見解を失うことはリスクになります。
「小さな判断」の「積み重ね」が製造業の品質を作り上げるのが現実です。


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■製造業の現場のリスク

ここまで見てきた問題は
製造業の現場ではそのままリスクになります。

・指示の解釈が人によって変わる
・役割範囲が曖昧になる

結果として、

・ミス
・手戻り
・品質のバラつき

につながります。


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■まとめ

呼び捨ては、「単なる言葉の問題」ではありません。
その背景にある

曖昧な指示
属人化した教育
共有されない違和感

これらが、仕事の質に影響を与えます。


現場で起きている問題の多くは、個人の意識ではなく
「組織ならではのやり方」によって生まれています。
「組織ならではのやり方」はメリットもあればデメリットにもつながります。
できればデメリットはなくしていきたいですよね。


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■こんなことありませんか?

現場でこんなことはありませんか?

・指示が曖昧でミスが出る
・教育が人によってバラバラ
・改善が続かない

こうした課題は「仕組みの問題」であることが多いです。
一度、状況を整理してみませんか。

30年以上の製造業経験と現場視点から
工場改善や補助金活用についてご相談をお受けしています。

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